SoundCraft FolioSX のフェーダー交換


SoundCraftの卓はLiveの頃から数台使っていますが、FolioSXは手持ちの卓の中でもインプット数も多く軽量で持ち運びも楽で音も好みなので手放せません。
とはいえ発売されてからもう10年近くになりますので、音質的には問題はないものフェーダの動きが悪くなってきます。
本来だったらメーカーさんに修理を出した方がより安全で確実かと思いますが、あえて原理を知るためにフェーダ交換を自分でやってみました。

お決まりですが、このページの内容はあくまでも個人的な実験であって正規の修理方法ではありません。
詳しい方法についてのご質問はお受けすることができませんのでご了承下さい。
また、このページを見て交換される方は、あくまでも自己責任でお願いします。


●中を開いてみる




つまみとネジを全て外して基盤を取り出します。
パネルにもホコリがついているので、キレイに掃除



可変抵抗器は基盤裏側でハンダ付けされている(5箇所)ので、30W位のコテとハンダ吸い取りを使ってハンダを丁寧に取り除いてフェーダーを取ります。
ハンダ吸い取りを使うにしても、基盤に熱を与えすぎると基盤の結線パターンが劣化したりハゲてしまいますので要注意です。
もし抜けない時は熱を加えすぎずに、ニッパーなどを使ってフェーダ分解して無理なく取り外した方が良いかと思います。
(実際、ガッチリハンダ付けされていて取り除けないフェーダが幾つもありました・・・)


そこへ新しいフェーダをハンダ付け(ハンダの種類によっては精密機器に向かないものもあるので要注意)





目的の原理について研究してみる。
取り外したフェーダを丁寧に分解して、どうなっているか見てみました。





接点部分の拡大写真。
この接点、ツメの先で軽く突いただけでも形が崩れるほど柔らかく繊細・・・。
バラした時は接点の周りにホコリが固まって少しだけ見える状態でした。


こんな感じで可変抵抗とフェーダ部分がスライドする。
これだけ繊細な作りなので、下手に接点復活剤や潤滑剤は使用せずに現状で使えるだけ使うか、どうしても気になったら最初から諦めて新しい物に交換した方がいいかもしれません。
それと、構造上フェーダーそのもののメンテナンスがしやすいようには作られていませんので、ハンダに慣れていない方はやめておいた方が良いかと思います。
技術的には基盤にコンデンサが付けられる程度でOKですが、基盤の結線パターンを焼ききってしまうと後が大変です(基盤全交換とかになります)