ENSONIQ KS-32 修復記録


発売当初からほしかった「ENSONIQ KS-32」をオークションで信じられない位の安値で入手!
このKS-32はジャンク率80%以上問題をがある品でして、修繕しないとまともに使えない状態のものでした
恐らく前オーナーさんは、相当ハードな演奏をしていたのでしょう

症状は
・鍵盤によっては、押すと「ギシギシ」のキシミ音がする。
・鍵盤によっては、押すとウエイトが鍵盤にあたる「コツコツ」音がする。
・バックアップ電池切れ
・本体塗装のサビ


とりあえずケースを開けてみる。
まず最初に、鍵盤とウエイト部分がユニットで一体になっていいるので、そこをそっくりそのままケースから外します。




作業途中の写真ですが、上のように鍵盤部は一体型になっています。
次に鍵盤外し。
外し方はいたって簡単↓



これは↑のように鍵盤の根元がバネで引っ張られているので、このネジをマイナスドライバーで取り外します
こんな感じで鍵盤を取り外すことができます。
余談ですが、メロディオンとかもこういう構造になっているんですよね。


鍵盤は位置関係を忘れないように、しっかり並べておきます。ちなにみテーブルの上です

ズーム

これは取り外した鍵盤の裏側。
奥の2本の棒は、鍵盤を押した時に「プレッシャースイッチ」を抑える大切な棒です。
これが一本折れていたので、適当なプラスチックを見つけて、元の形に切り抜いて瞬間接着剤で補修しました。
右上の写真の「黒いブタ鼻」はプレッシャースイッチです。


きしみ音は、「赤いフェルト部分」と「鍵盤のウエイトを動かす棒」が接する時に滑りが悪いためにおこる摩擦音でした。(後々改善)



次は難関。
「コツコツ」音が出る原因は、ウエイトの振れを止める「ストッパー」的役割のプラスティックの破損(割れ)でした。
見事に沢山折れています・・・さてどうしたものだろう・・・・。

ストッパーの棒が止まる部分は右上の写真の「赤」と「緑」の間に写っている黒いゴムの部分です。
下の角度を変えて写した写真を見れば、さらに分かりやすいので参照してみてください。


メーカ−さんに電話をしたら「ウエイトの部品は個々で注文できない。鍵盤ユニット一式での部品供給」
とのこと。元々お金かける気はなかったので、代用できるものを考えてみました。

ストッパーの役割をすればいいのだから、折れた部分に何か貼り付けられればいいんだよね。
という事で↓


少し固めのシールドを使ってみました。(もちろんこれも後で改善します)
後々に何かねじ込める小さなネジのようなものがあればいいと思います。

こんなふうに
貼り付け!
瞬間接着剤で、シールドのゴムとウエイトのプラスチックをペタペタ

しかも手で
手で押さえて、よ〜〜〜く引っ付けてあげました。
見て見て、右上の写真の黒くて丸い部分がシールドのゴムを引っ付けた場所
こんなに折れているともうどうでもよくなってきます。


 裏
さて、次はバックアップ電池の交換です。
厄介なことにENSONIQのキーボードは、基盤直付けになっています。(KorgM1あたりもそうですね)
「ハンダごて」と「はんだ吸い取り」と使わないコンピューター基盤から取り外した「電池ケース」を用意
「電池ケース」は、いらなくなったコンピューターのマザーボードから取り外して使い回しました。


とりあえず簡易修理成功です。
完全な修理ではありませんが、今後必要な情報はとりあえず収集することができました。
「折れた部分は何かで代用できるかもしれませんね」
「鳴るのは摩擦のせいなので、ようは滑るようにしてあげれば」
とアドバイスしてくれたE社の○○さん。
立場上責任があるのは承知しております。情報をいただきありがとうございました。

この方法は僕独自のもので、消して正規の修理方法ではありません。
このページを見て下さった方は、あくまでも参考程度に見ておいてください。
壊れても怪我をしても責任は持てませんので、あくまでも自己責任でお願いします。


番外編

知ってました?
今更なんですが・・・KS-32は実はイタリアのあるメーカーのOEMだったんですね。
http://www.musicindustries.com/
のメーカーの
http://www.musicindustries.com/fatar/fatar-menu.htm
のシリーズなんですよ。